あんな虎の顔……初めて見た。

「叶恋ちゃん、時間やばいから行こ?」

「あ、うんっ」

伊達くんはあまりヤクザ好きじゃないのかな。

虎に対しての感情が、なんか違った。

けど私が虎に対して持ってた感情とは少し違って見えた。

私はヤクザが嫌いだってだけだけど。

着替え終えてお店に立てば、伊達くんが来て。

「叶恋ちゃん、危ないからヤクザとは関わらない方がいいよ」

「伊達くん、心配してくれてありがと。でも私、虎は他のヤクザとは違うってわかるの」

「でもっ……」

「兄ちゃーん!ビールひとつー!」

「っ……いってくる」

その後も伊達くんは隙さえあれば話しかけようとしてたけどお店が混んでたからそれ以上は話すことはなかった。