雪の降る冷たい冬。



あの日……私はすべてを失った。




『お母さん!お父さん!!』


目の前に広がるのはふたりの血。


『ごめんねお嬢ちゃん。……悪く思わないでくれ』


汚らわしい手で私の頭を撫でた男。


目の前が真っ暗になって、息をするのも苦しくなってだんだん意識が遠くなる。


最後に聞こえたのは

『さぁ……ボスのとこに帰るぞ』

そんな男の声だった。




この日のことを、私は忘れない。


絶対に──────。