美しい青色の宝石みたいな果実。
それを見つめるのは、ヴィランド伯爵家の料理長と私だ。
少し離れた場所で、シャツとトラウザーズというくつろいだ姿になった騎士団長様は、何か考え事をしているようだ。
(やっぱり、先ほど魔女様に何か言われたせいなのかな……?)
けれど次の瞬間には、目は料理長の手元に集中してしまう。
「蜂蜜に漬けるのですか?」
「酸っぱいですからね」
「氷結ベリーは、酸味が強いからジャムかコンポートにするしか浮かびませんでした」
「もちろん、コンポートも作りますよ?」
しばらくつけておけば、青い色合いの蜂蜜漬けと、赤紫色のコンポートと、真っ赤なジャムが完成した。


