恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

「はぁ……。乱れた姿も、世界で一番可愛い。大好きだよ、璃々。」

 逢伊さんはわざとらしく吐息を私の耳に当ててから、優しい声色で囁いた。

 もう、私に自由は与えられない、よね……。

 こんなとんでもない人に捕まるなんて、思っていなかったけど……いつかは受け入れてしまうんだろうな。

 私はこの瞬間、この人からは生涯逃げられないんだろうと悟ってしまった。

【終わり】