恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 逢伊さんは涙を拭ってくれるけど、今はこの人から離れたい。

「触らないで、ください……っ。」

 動きを封じられたなら、言葉で訴えるしかない。

 そう思った私は叫ぶように言ったけど、逢伊さんにそれは通じなかった。

「そんなに泣かれるとショックだなぁ。まぁ、そんな顔も璃々は可愛いけど。」

「いやぁ……っ!もう、さわらな……ひぁっ。」

「ご飯食べようと思ったけど、やっぱり璃々を食べたくなってきたかも。」

 逢伊さんはそんなことを呟き、私を愛おしそうに触ってくる。

 腰を撫でられ、一番弱い耳までも逢伊さんにやられてしまう。

 キスもされたけど、さっきみたいな可愛いものじゃなかった。

 舌を何回も絡ませられ、さっきよりも口内を弄ばれる。

 下唇も甘噛みされてしまい、言葉にならない声が部屋に響く。

「甘い声もっと聴かせて。俺の為だけに、翻弄されてて。」

「んっ……いや、はなし……っ。」

「離さない。足枷もついてるから、もっとも逃げられないけど。」

 そう言って逢伊さんは不敵に笑い、奥のほうまで舌を絡ませてきた。