恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 ベッドの上くらいしか移動できなくて、逃げることなんてできない。

「なん、で……。」

 どこで狂っちゃったんだろう。何が狂っちゃったんだろう。

 耀太を嫌いって言った時から?逢伊さんに助けてもらった時から?

 ……逢伊さんと、出会ってしまった時から?

 そんな後悔の念ばかりが押し寄せてきて、どうにもできずに泣き崩れる。

『璃々のせいでこうなってるんだよ。』

 逢伊さんの言葉が本当なら、私のせいでみんなを巻き込んでしまったことになる。

 お母さんもお父さんも、友達も知らない人も……。何もかも、わたしのせいで……。

「璃々、泣いてたらせっかく可愛い顔がぐしゃぐしゃになっちゃうでしょ?」

「こ、来ないでっ……!」

 逢伊さんはいつの間に来ていたのか、私のほうに近づいてくる。

 みんなの目標で憧れで、素敵な逢伊さんはどこ行ったんだろう。

 もしかしたら、この逢伊さんが本当なのかな。

 そんなことを思ってる間にも逢伊さんのほうに引き寄せられ、ベッドのスプリングが音を出す。