恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 確かに私も、逢伊さんのことはかっこいいと思うし、イケメンさんだとも思う。

 でも、恋愛対象になるかって言われると……うーん、ならないかなぁ……。

 逢伊さんは誰にでも優しくて分け隔てない完璧人間だから、私は憧れるだけで十分なんだ。

 そんなことを考えていると、いつの間にか逢伊さんのお家に着いていたらしく、目の前にはいたって普通の一軒家があった。

「璃々、入って。」

「お、お邪魔しますっ……。」

 初めて男性のお家にお邪魔する私は、怯えながら足を踏み入れさせてもらう。

 ここに逢伊さん一人で住んでいるのかな……?と思い、尋ねてみたかったけど、きっとデリケートな話はしないほうが良い。

 逢伊さん自身も、親をゾンビにさせられたからハンターになったって言っていたし……。

「ここに座っててね。」

「は、はいっ。」

 逢伊さんにリビングらしき場所に通され、ふかふかなソファに座らせてもらう。

 わっ……こんなふかふかソファ、初めてかもっ……。

 逢伊さんはどこかに行ってしまったのか、姿が見えない。