恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

「俺がこんなことを何でしたかって、思ってるでしょ?教えてあげるよ。」

「い、いや……っ。」

「嫌じゃない。璃々は聞かなきゃダメ。」

 必死に抵抗するも、痛みがその度に走りまともにできない。

 逢伊さんはそんな私を見つめてから、言葉を紡ぎだし始めた。

「俺がこんな騒動を起こしたのはね――」

 一旦そこで言葉を切り、すぐに含みのある言い方で……こう言った。

「璃々が可愛すぎるから、起こしちゃったんだよ。璃々が他の輩と一緒にいるから、起こしたんだよ。」

「わ、たしが……。」

「そうだよ。璃々の為に、璃々のせいでこうなってるんだよ。」

 逢伊さんの言う、私のせいって……そういう、ことだったの?

 だけどそんなの、私は知らない。それとどう、逢伊さんが騒動を起こしたのと関係あるの?

 その直後、逢伊さんは私の心を読み取ったのかのように……真実を、言い出した。

「俺は璃々が好きなんだよ。璃々がゾンビハンターに就任した時から。あの日からずっと、璃々のことしか頭になくて……どうにかなりそうだった。」

 私が、ゾンビハンターになった時から……?

 ゾンビハンターになったのは私が中学一年の時だったから、三年前から好いていてくれたことになる。