恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 でも信じれなくて、信じたくなくて……慌てて耀太を抱き寄せる。

 徐々に失われていく体温から、耀太の今の様子が嫌でも分かってしまう。

 耀太……なん、で……っ。

 耀太はしばらくしてから、完全に体温が失われて冷たくなってしまった。

「よう、た……っ。私の、せいで……っ。」

「璃々、そんな男なんかに構わないで。」

 悲しみと苦しみ、絶望から吐き出した言葉は、逢伊さんに聞こえていたらしい。

 背後から逢伊さんのそんな言葉が聞こえてきて、思わず振り返ってしまった。

「逢伊さん……っ、何で、こんな事……っ!」

「何でって、見たんでしょ?俺の秘密部屋。見たなら分かるはずだけど?」

 秘密部屋……きっとあの異様なお部屋のことを指しているんだろう。

 だけどそう言われても、理解なんてできるはずない。

「分かりま、せん……っ!分かりたく、ないです……っ!」

 そんなこと聞かされたくないし、聞きたくもない。

 でも私の言葉を聞いていないように、逢伊さんは話を始めた。

「分かりたくないって言っても、全ては璃々のせいなんだから。璃々は聞く義務があるんだよ?」