恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 私は部屋の中に入り、そのテーブルの上に置いてあるものに視線を向ける。

 そこにはこれでもかと言うほどの写真が置いてあって、アルバムらしきものもいくつかある。

 その中にある一冊のノートを見つけ、私はそれを開いてしまった。

 ……っ!?

『2022年7月2日:璃々は今日、クラスメイトの子たちとショッピングに出かけた。フリルワンピースを嬉しそうにしながら着ていて、本当に可愛いと再認識させられた。璃々が買ったものは猫のキーホルダーに友達たちとおそろいのカチューシャ、それと……』

 そのノートの中には、一日ごとの私の行動履歴が事細かに書かれていた。

 何時に何をしただとか、誰といたのか、そして……私に対しての言葉。

 可愛いや綺麗、大好きに愛おしいなどのものがびっしりと書かれていて……その瞬間、私の中に恐怖が生まれた。

 この文字は間違いなく、逢伊さんの、もの……。

 この家にあるものは全て逢伊さんのものだと初めに聞いていたから、間違いない。

 これをしたのが全て――逢伊さんだと気付いて、一気に恐怖がこみ上げてくる。