恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 何でそう思うのかは分からないけど、何故か嫌な予感が体中に走った。

 申し訳ないとかそんな気持ちじゃなくて……嫌な事が起こりそうな、そんな予感。

 だ、だけどここまで来たから、引き返すわけにはいかないよねっ……。気になるしっ……。

 私はいつもの強気に出る癖で、恐る恐る鍵穴に鍵を差した。

 鍵はぴったり鍵穴にハマり、かちゃっという軽快な音を立てて鍵が開いてしまった。

 これで、入れるんだよね……?

 でも鍵を開けた途端、嫌な予感が一層強くなった気がして……息が苦しくなった。

 開けちゃ、ダメ……。

 ……だけど私の手は、無意識にドアノブに手をかけていた。

 そのまま回し、ゆっくりと扉を押し開ける。

 その瞬間……驚く光景が目の前に広がった。

「な、何、これ……?」

 目をこれでもかと言うほど見開いて驚いている私の目の前に広がっている、信じられない光景。

 それは――私の写真が、壁一面に貼られているものだった。

 全てカメラ目線じゃない、盗撮のような写真ばかり。

 その部屋の真ん中には大きなテーブルが置いてあって、いろんなものが散乱している。