恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 でも意地悪な逢伊さんは、そんな返事じゃ止まってくれなかった。

 逢伊さんに一回持ち上げられ、向き合う体制にさせられる。

「そうやってまだ話せる余裕があるなら、もうちょっとしても大丈夫だよね。」

「だ、ダメで……ひゃうっ……!」

 逢伊さんは意地悪い言葉と共に、私の首筋に口付けをした。

 だけどこれまでのものとは全く違うもので、チクッとした痛みが走る。

 その後、逢伊さんはぺろっと舐めてから妖艶に微笑んだ。

「これ、俺のっていう印だからちゃんとつけといてね。」

 逢伊さんはそんなよく分からないことを言ったけど、もうキャパオーバーの私は意味が分からなくても頷くしかなかった。



 そんな甘いことをされ続けているある日のこと、逢伊さんが見回りに向かった後、私は掃除をしていた。

 お家の中を一通り掃除し、ふぅ……と息を吐く。

 これくらいでとりあえずは良いかな、と思いリビングへ帰ろうとする。

 でもその時に、落ちているあるものに気付いた。

「鍵……?」

 それは複雑な模様が真ん中に彫られている綺麗な金色の鍵で、ピカピカと光っているものだった。