自分の気持ちを自覚してから、もう一週間くらい経つ。

　くらいっていうのは、もう何日ここにいるのかが分からなくなってきたから。

　カレンダーもテレビもないから、今が何日なのか分からない。

　でも普通に生活できているし、困っていることはない。

　だけど一つだけ……あの日から変わったこともあった。

　それは……。

「璃々、抱きしめても良い？」

「うっ……は、はい……。」

　あの日からこうやって、面と向かってお願いされることが増えたこと。

　もちろん嫌ってわけじゃないけど、一体何があったんだろう……？

　もしかしたら甘えたい時期なのかもとも考えていて、私は笑顔で頷いてみせた。

　私も抱きしめられることは好きだし、むしろこっちからお願いしたいくらい。

「やっぱり璃々のこと、抱きしめてると落ち着くね。」

「そ、そうですか……？」

「うん。すっごく落ち着く。」

　不意にそんなことを言われ、よく呑み込めなくて首を傾げる。

　でも、私が逢伊さんに抱きしめられるのが落ち着くって言うのと同じなのかもしれない。