恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

「で、でも……!」

 逢伊さんは苦笑いを浮かべてそう言ってくれるけど、耀太が失礼なことしたのには変わりない。

 その場にいた私にも非はあるし、何より……。

「逢伊さんを悪く言った耀太は、私嫌いですっ……!」

 こんなこと逢伊さんに言ってもダメだと思うけど、ついそう口走ってしまった。

 耀太があんなに酷い人だって知ってたら、関わってなんてなかった。

 耀太には悪いけど、人を傷つける人は大嫌いだからもう絶対に耀太とは関わらない。

 そう自分の気持ちは吐き出すように言い放つと、逢伊さんは突然ぎゅっと強く抱きしめてきた。

 苦しいほどに抱きしめられ、逢伊さんの名前を呼ぶ。

「逢伊さん、苦しいですっ……!」

「ごめんね、もう少しだけこうさせて。」

 私がそう言うと、逢伊さんは申し訳なさそうに力を緩めたけど、強い力で抱きしめてくれた。

 さっきより苦しくなくなったけど、まだ少しだけ苦しいかも……。

 ……でも、この苦しさが今はすっごく落ち着いた。

 その時に、やっと自分の気持ちに気付くことができたんだ。