恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 急いで声のしたほうに視線を動かしてみると、そこには逢伊さんが壁にもたれかかって立っていた。

 その表情は……震えあがってしまうほど、怖い顔だ。

 だけど私の姿を捉えると、いつもの笑顔で笑いかけてくれた。

「逢伊さん、見回りは……?」

「もう終わった。それよりも……この子、誰なの?」

 逢伊さんは不思議そうな表情、だけど少しだけ怖い顔で私にそう尋ねてきた。

 あ、そうか。逢伊さんは耀太のこと、知らないのか。

 耀太は一方的に逢伊さんのことを知っていたみたいだけど、逢伊さんは知らないのかもしれない。

「えっと、この男の子は耀太ですっ!ゾンビハンターもしていて、私の同期みたいな存在で……」

「おい、闇重。璃々に何したんだよ。」

 私が耀太のことを説明して、逢伊さんに一緒に住めるのかというお願いをしようとした時、耀太が逢伊さんにそんな挑発的な態度を取っていた。

 逢伊さんは私たちよりも上のランクのゾンビハンターだから、そんな口の利き方は失礼に当たる。

「よ、耀太っ!逢伊さんにそんな口の利き方……!」