恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 えっ……まさか、耀太(ようた)……?

 その声の主に私は反射的に玄関扉を開け、飛びついてきた人物を受け止めた。

「やっぱり耀太なのっ……!?良かった、耀太無事で……。」

 玄関から急ぐように私に飛びついてきたのは、ゾンビハンター仲間でもあった耀太。

 いつもは強気で「俺に倒せないゾンビはいない!」と豪語しているから、こんな縋るような声色は初めてだった。

 耀太はプライドも捨ててしまったのか、私に必死になって抱き着いている。

「お前ここにいたんだな……!心配したんだぞ!今回のゾンビは一筋縄じゃいかない奴ばっかで……!銃使えなかったんだぞっ!?」

「や、やっぱりそうだよねっ!耀太の武器も、使えないなんて……。」

 耀太もやっぱり武器は通用しなかったようで、もう逃げるしかないと踏んだらしい。

 しかも耀太は”不可”の能力も持っていないから、噛まれたら一巻の終わりなんだ。

 だからこうやって、噛まれずに無事にいることが奇跡だっ……。

 だけどこんなところで再開を喜んでる場合じゃない……!と、はっと我に返る。