恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 そ、それにさっきのは私の、ファ、ファーストキスだったし……もうキャパオーバーだよっ……!

 ついさっきの出来事だから頭から離れてくれなくて、無意識に自分の唇をなぞる。

 ど、どうして逢伊さんはキスなんか……。さっきは仕返しだって言ってたけど……。

 でも、何でだろう……。逢伊さんからされるキスは、嫌だって思わなかった。

 むしろもっとしてほしい、だなんて……な、何を思ってるのっ!?私はっ!?

 慌てて自分の考えを払拭するように頭を左右に振り、どうにか消し去ろうと頑張る。

 だけどキスの感触だけは消えてくれなくて……火照った顔をどうにか治すのは大変だった。



 朝ご飯も済ませ、逢伊さんは見回りに外へと出かけてしまった。

 掃除も洗濯もある程度終わらせたし、特にやることはないかな。

 そんなことをぼんやり考えながら、ソファに意味もなく腰掛ける。

 私、何やってるんだろう……。

 ふと、そんな疑問が頭の中に浮かんできたけど、すぐにその考えを払拭する。

 ううん、過去のことを考えても悔やんでも、もう過ぎてしまったことなんだから……考えるだけ悲しくなる。