恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 え……!?と驚いてしまい、されるがままになる。

 その時に頭上から、こんな言葉が聞こえてきた。

「ほら。こうすれば顔は見えないから、おやすみ。」

 ぎゅっと抱きしめられているから、逢伊さんの表情は分からない。

 だけどきっと、意地悪い顔してるんだろうなぁ……。

 わたしはふっとそう思って、逢伊さんにこう返した。

「~~っ。……お、おやすみ、なさいっ……!」

 本当のところはこの腕の中にいるのは恥ずか死ぬくらいだけど、びくともしないからどうしようもない。

 それに……逢伊さんが近くにいて、落ち着く。

 私は逢伊さんに抱きしめられながら、夢の中へと入っていった。



 ……ふわぁ、よく寝たぁ……。

 翌朝になり、重たい瞼をなんとか開けて視界を開かせる。

 その瞬間、私は驚いて思わず硬直してしまった。

 ……っ。やっぱりこの距離は……近い。

 目の前には逢伊さんの綺麗な顔があって、気持ちよさそうに眠っている。

 その表情がいつもよりも幼く見えて、思わず頬を撫でてしまった。