恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 だけど逢伊さんは私の耳に、後ろから吐息を当ててきた。

「ひゃぁっ……。」

「耳真っ赤だよ、璃々。」

 後ろからそんな意地悪い言葉が聞こえてきて、慌てて耳を押さえる。

 ばっと後ろを振り返って、大きな声で逢伊さんに抗議した。

「あ、逢伊さん……!さっき私、耳弱いって言いまし……ひゃうっ……!」

「うん、言ってたね。」

 逢伊さんは言葉を遮るように私の手を強い力で退かしてから、私の耳をこれでもかというほど触ってきた。

 そのせいでだんだんと力が抜けてきて、ソファの背もたれにもたれかかるように倒れてしまう。

 視界も潤んできてしまい、残った力で逢伊さんに言い放った。

「い、意地悪しないでください……。私、もう無理です……。」

 小さな声でそう言い、逢伊さんに鋭い視線を向ける。

 でも逢伊さんはそんな私の言葉を華麗に躱し、お風呂のほうへと向かってしまった。

「髪は乾かせたから、璃々は先に寝てていいよ。奥に寝室があるから、ちゃんとベッドで寝てね。」

 ふっと、私に意地悪い笑みを浮かべてみせた逢伊さん。