……っ、これじゃあどうすることも……!

 幸いなことに静かに移動していたからゾンビたちには見つかってはいない。

 だけどそれも時間の問題な気がして、はぁ……と息を吐きだす。

 だけど……やってしまった。

 ……や、ヤバいっ……。

 さっき深呼吸をした時に音を立ててしまったらしく、私の目の前にはゾンビの顔。

 一瞬だけパニックになったけど、すぐに対ゾンビ用の銃を取り出し、パンッと発砲させる。

 ……でも、全くと言っていいほど目の前のゾンビには効かなかった。

 な、何でっ……!これまでならこれで一瞬の隙はつけたのにっ……!

 そう一人で混乱している間にも、ゾンビは私のほうに迫ってくる。

 いくらゾンビにならないからって、噛まれたら気絶してしまう。

 その上、ゾンビは力も強いから気絶している間にゾンビの食料に……いや、この先は考えないでおこう。

 一か八か、もう一回銃を発砲してみたけどやっぱり効かない。

 ど、どうすれば……っ!

 だけど呑気に考えている暇なんてなく、ゾンビの顔がすぐ近くに。