恐怖と混沌の中、果てしない狂愛に包まれる。

 その表情はとても辛そうで……こっちも悲しくなってきてしまう。

 逢伊さんからはそういうプライベートな話は聞いてこなかったけど、やっぱり逢伊さんも……。

 私の今の辛さと逢伊さんの今までの辛さを測ることなんてできない。

 でもきっと、逢伊さんは私以上に苦労してきたんだと、勝手に思う。

 普段はにこにこと爽やかな笑みを浮かべている逢伊さんの、泣きそうな表情を見るのが耐えられなくなって、私は椅子から立ち上がった。

「璃々?……っ。」

「大丈夫です、逢伊さん。逢伊さんはたくさん素敵なところがあります。なのでもっと……自信を持ってくださいっ。」

 私は必死になって逢伊さんに自分の気持ちを伝えながら、逢伊さんの大きな体を抱きしめる。

 当たり前だけど、私より大きな体でがっしりとしている。

 だけど逢伊さんに安心してほしくて、本当だと思ってほしくて……恥ずかしさを押し殺してぎゅうっと抱きしめた。

 逢伊さんはさっき、こうやって私のことを安心させてくれた。

 なら今度は……私が逢伊さんを安心させる番だ。