ならこうやって、大人しく家にいたほうが良い。

 その代わり、逢伊さんが帰ってくるまでに私は家事を終わらせている。

 居候させてもらっている身だし、家事くらいなら私もできる。

 逢伊さんのファンにこんなことバレたら、私はきっと殺されちゃうだろうな……あはは。

 それくらい、逢伊さんは人気がある。

 男女共に仲が良く、頭脳明晰、運動神経抜群、おまけには最高ランクのハンター。それに……国宝級イケメン。

 こんな完璧な人を世のお姉様方は放っておくはずもなく、アピールする人は後を絶たない。

 今は分からないけど、きっと今も人気なんだろうな。

 そんなことをぼーっと考えながら、私は膝を抱く。

 お母さんもお父さんも、ゾンビになってしまった。もしかしたら今頃、始末されているかもしれない。

 そう考えると怖くなり、ぶるっと肩を震わせる。

 逢伊さんはゾンビに対して無慈悲だから、きっと容赦なく始末するはず。

 だ、だけどそれは仕方ないことで……受け入れなきゃいけないこと。

 逢伊さんがいなければ私も助かっていなかったと思うし、逢伊さんのやり方に私は口出しすることなんてできない。