・・・。

 蘭にぃが悲しそうに顔を歪めた。

 なんというかさ、申し訳ないというか。

 自分が悪かったんじゃないかって思ってきた。

 でも、何より・・・。

 蘭にぃ可愛い!

 おっきい目で、縋るように見る蘭にぃは抜群に可愛い。

 勢いあまって蘭にぃに抱きつく。

 「分かった、フラフラしない!蘭にぃ可愛いね〜!!」

 そう言って、ぎゅぅって強く抱きしめる。

 蘭にぃはピクリと動いたと思ったら、動かなくなった。
 
 「蘭にぃ・・・?」

 不思議に思って、声かけても、無視。

 「ねぇ、どうしたの・・・?・・・ひゃっ・・・!?」

 「美紅・・・」

 蘭にぃが急に首筋に顔埋めるから。

 くすぐったい・・・!

 「俺以外にこんなことするなよ」

 真っ黒の瞳が、すごく黒くなった気がした。