新しい保健室の常連、兎澤。
この問題児が、俺の仕事を“そこそこの調子”に留めている大きな要因だ。
****
ガラガラ
職員室の扉を閉めて、保健室への帰路につく。
人気のない廊下を歩いていると、窓の外に見覚えのある姿を見つけて、足を止めた。
「あれ? 兎澤さんいなくない?」
「また保健室行ってんじゃない?」
「あー、かも」
手近な窓を開けると、どこからかそんな会話が聞こえてきて、生徒の間でもそんな認識か、と妙に納得する。
「ってかさー、兎澤さんってひ弱過ぎじゃない? 正直めんどくさいって言うか……」
「うざいよねー。しょっちゅう熱出して保健室行くし」
「ねー。“気を遣ってあげて”って、あれじゃ手の付けようないし。ってか、保健室行ってケロッと治るのもさぁ?」
この問題児が、俺の仕事を“そこそこの調子”に留めている大きな要因だ。
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ガラガラ
職員室の扉を閉めて、保健室への帰路につく。
人気のない廊下を歩いていると、窓の外に見覚えのある姿を見つけて、足を止めた。
「あれ? 兎澤さんいなくない?」
「また保健室行ってんじゃない?」
「あー、かも」
手近な窓を開けると、どこからかそんな会話が聞こえてきて、生徒の間でもそんな認識か、と妙に納得する。
「ってかさー、兎澤さんってひ弱過ぎじゃない? 正直めんどくさいって言うか……」
「うざいよねー。しょっちゅう熱出して保健室行くし」
「ねー。“気を遣ってあげて”って、あれじゃ手の付けようないし。ってか、保健室行ってケロッと治るのもさぁ?」



