週に何回も、赤い顔で保健室に来る“常連”だからだ。
「はぁ……熱計ってからな」
「は、はい……っ」
人の顔色を伺うようにいつもビクビクとして、溜息ひとつで怯えた顔をするメンタルも相当だが、兎澤の体は大・層、弱い。
例えば、グラウンドをチョロっと走れば熱を出すし、テストなんかでストレスがかかっても熱を出すし、泣いても熱を出す。
それでよく日常生活が送れる、と思うが、実際それで無理がかかってるから、よく保健室に来るんだろう。
ピピ、ピピ
「37.8℃ね……じゃ、さっさと寝ろ」
「はい……ごめんなさい……」
「別に怒ってねぇからいちいち謝んな」
「は、はい、ごめんなさい……」
「……ったく」