「怖がってるくせに、なんで泣くんだよ……お前、本当は俺のこと好きなのか?」 呆れ混じりの声と、こめかみに伝った涙を拭う指。 前みたいに、せんせぇが優しくしてくれてると思うと……どうしようもないくらい嬉しくて、好きが溢れる。 「好き、です……わたし、せんせぇが、好き……!」 「――っ!」 せんせぇの息を飲む声が聞こえて、温かい指が少し離れた。 心臓がキュッとするけど……口にした言葉に、後悔はない。 だって、わたしは……。 ちょっぴり怖くて、でも優しいせんせぇが、好きだから。