――わたしには、好きな人がいる。

それは、保健室の先生。




「ケホッケホッ……せんせぇ、ごめんなさい。またベッドを使わせてもらってもいいですか?」




体育の授業を抜け出して保健室に来ると、せんせぇはいつも通り振り返って、呆れた顔をする。




「まーたお前か。勝手にしろ。ったく、1週間に3回はここに来やがって。自分の体の状態はちゃんと把握しろって言ってんだろ」


「うぅ、ごめんなさい……今日は大丈夫だと思ったんです……」




言葉遣いも態度も荒っぽいけど……せんせぇの“呆れ”は、わたしが虚弱体質だからじゃない。




「お前の大丈夫は大丈夫じゃないんだよ。頑張り過ぎなんて言ったら聞こえはいいがなぁ、毎度酷使するんじゃただの無謀だ、無謀」