男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

「少しは気分転換になったか?」
サラの事を考え連れ出してくれたのだと気付く。
「ありがとうございます。
女子としていろいろ忘れていた事を思い出しました。」
恥ずかしそうにハニカむサラが可愛らしくて、カイルは目を細めて微笑む。

本来のサラが見れた気がしてカイルも内心嬉しかった。
もっと甘やかしてやりたいと、庇護欲が湧き出てくるのを自分でも抑えきれない。

「良かった。少しでも気休めになればと思ったが、俺も結構癒されたよ。」
カイルも気付けば仕事を忘れて、素の自分で接していた。

「お待たせ。今日は煮込み野菜のスープだよ。」
店主が持ってきたランチを2人で食べる。
焼き立てのパンと具沢山のスープはとても美味しくてサラは夢中で食べる。

「サラは料理が好きなのか?
もし、厨房を手伝いたいなら昼食時でやってみるか?」

「是非、やりたいです!」
料理なら少しは役に立てそうだと被り気味に返事をする。

「実は、シェフから何度か話があって困っていたんだ。
留学の名目で居てもらってるから、日給程度しか出せないが…。」

「無給でも大丈夫です。
置いてもらってるだけで、何も役に立てなくて心苦しかったので、役割を頂けると嬉しいです。」

「分かった。
シェフに話しておくから明日から厨房に入ってくれ。
でも、くれぐれも無理は禁物だからな。」

サラが頑張り過ぎてしまわないよう忠告も忘れない。

「はい。」
サラは自分の役割りを与えられ、居場所が出来た気がして嬉しくなる。