「カイル団長は怖がられている存在だけでは無いんですね…。」
「そうです。団長に憧れて入隊を希望して来る若者も多いですから。」
「カイル団長に憧れてる気持ちは僕も分かります。」
そう素直な気持ちを教官に伝えてサラは微笑んだ。
そんなラサの肩を教官は優しくポンポンと叩きながら、
「頑張って精進して下さい。
もし、団員になりたければ入団試験を通らなければいけませんから。もちろん試験には乗馬が必須です。」
「…頑張ります。」
と、苦笑いをする。
「リューク殿、乗馬の練習がしたいなら俺が教えてやる。」
人混みに居たはずのカイルが知らぬ間に近くに来ていた事に驚きサラは目を丸くする。
不機嫌そうにサラの肩に手を置き、
「この馬借りて行くぞ。」
と、教官に目も合わさずそう言ってサラを庇う様に肩を抱いたまま歩き出す。
サラは急に教官と引き離され慌ててペコリとお辞儀をしてその場を離れた。
「おめでとうございます。
ダントツの一位でしたね。さすがです。」
と、笑顔でカイルに話しかける。
一方、カイルは不機嫌な顔でサラを見下ろす。
「何故、いつも自ら危ない事をしようとするのだ。」
「…乗馬も、剣術も、兄をいつも羨ましいなと思って見ていました。
…ずっと淑やかにと言われてきたのでその反動でしょうか…。」
はぁーとため息をついて、
「では、本来の貴方は相当なジャジャ馬なのだな。
…見ているこっちがハラハラする。」
呆れ顔でそう言いながら馬にヒラリと跨り、サラを持ち上げたかと思うと蔵に座らせてくれる。
「ありがとうございます…。
乗馬は二人乗りも可能なんですね。」
いきなり目線が上がってサラのテンションも上がる。



