自分よりも悲痛な顔のカイルがこちらを見下ろしている。
「団長は私に過保護過ぎます。
女だからって気にかけ過ぎないで下さいね。
周りにバレちゃいますよ。」
微笑みながらサラは言う。
はぁーっと短いため息を吐きカイルは言う。
「…どうすればサラ殿は……心を許してくれるのだ?
貴方には、自分自身に戻る時間が必要だ。」
「そうやってカイル団長が甘やかしてくれるから私は平気です。
さぁ、早く馬場に行かないと授業時間終わっちゃいます。」
サラは緩んだ腕からするりと抜け出しカイルから離れて行く。
なかなか動く事が出来ずにいるカイルに、早く早くと笑顔で手招くサラがとても眩しい。
カイルは思う。
……一緒に美しい風景を観に行ける日が来る訳が無い、と…
本来なら彼女は公爵令嬢として綺麗なドレスを着て、何不自由無く幸せに暮らしていただろうに、何が楽しくて男装して、こんな血生臭い男だらけの騎士団なんかに居なくてはならないのか…。
早く元の生活に戻してやりたいと思う。
だが、
そうなればこんなに気安く話す事は無くなるだろう。
もう二度と触れる事も無いだろうと…
そう思うと、言いようも無い無力感と絶望感にも似た重い気持ちになる。
いつか何処の貴族に嫁ぐのだろうか?
俺の知らない所で知らない男にこんな風に笑いかけるのだろうか……
胸が苦しくて誰にも渡したく無いと思うこの気持ちは罪なのか…。
「団長は私に過保護過ぎます。
女だからって気にかけ過ぎないで下さいね。
周りにバレちゃいますよ。」
微笑みながらサラは言う。
はぁーっと短いため息を吐きカイルは言う。
「…どうすればサラ殿は……心を許してくれるのだ?
貴方には、自分自身に戻る時間が必要だ。」
「そうやってカイル団長が甘やかしてくれるから私は平気です。
さぁ、早く馬場に行かないと授業時間終わっちゃいます。」
サラは緩んだ腕からするりと抜け出しカイルから離れて行く。
なかなか動く事が出来ずにいるカイルに、早く早くと笑顔で手招くサラがとても眩しい。
カイルは思う。
……一緒に美しい風景を観に行ける日が来る訳が無い、と…
本来なら彼女は公爵令嬢として綺麗なドレスを着て、何不自由無く幸せに暮らしていただろうに、何が楽しくて男装して、こんな血生臭い男だらけの騎士団なんかに居なくてはならないのか…。
早く元の生活に戻してやりたいと思う。
だが、
そうなればこんなに気安く話す事は無くなるだろう。
もう二度と触れる事も無いだろうと…
そう思うと、言いようも無い無力感と絶望感にも似た重い気持ちになる。
いつか何処の貴族に嫁ぐのだろうか?
俺の知らない所で知らない男にこんな風に笑いかけるのだろうか……
胸が苦しくて誰にも渡したく無いと思うこの気持ちは罪なのか…。



