男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

「はぁー。団長が居ると緊張して精神的に疲れます。」

ルーカスが手を休めドカッとソファに座る。

「カイル団長って、そんなに怖いですか?
僕から見たら過保護過ぎて困るくらい優しい人ですけど。」
ルーカスがハァーと深いため息を吐く。

「団長に歯向かうの辞めてくださいよー。
団長に物言える人なんて副団長か貴族幹部くらいなんですからぁ。
ハラハラ見てるこっちの身にもなって下さい。」

「えっ、歯向かってるつもりはないですけど…普通に会話しちゃダメなんですか?」

「リューク殿は戦中の団長を知らないから、鬼ですよ!
笑った顔なんて見た事無いですから…」

あれ?さっきちょっと笑ってたな…と、ルーカスは思う。

「結構、普通に笑いますよ。
きっと、今日一日一緒にいたら意外と優しい人だって分かるはずです。」

「リューク殿は能天気で羨ましい…。」

ふふふっとサラは笑う。
「能天気とは失礼な、いつも前向きなんです。」
そういえば、良くお兄様からも能天気だって言われたなぁ。『サラと話してると重い話しも軽くなる』って、懐かしい。

兄が亡くなって、もう二度と笑う事は無いだろうって思うくらい塞ぎ込んだのはまだ二ヶ月前だ。