男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

早速サラは応接席の机を使い手紙を書く。

カイルはその様子をこっそり見ながら自然と微笑んでしまう。
床にペタンと座り、低い机の上で真剣に手紙を書いているサラが可愛く思えて、何度もチラチラ見てしまう。

ダメだ…。

同じ空間にいると、どうしても気がサラに向いてしまう。
自分を戒め、やるべき事を成そうと無心になる。

ルーカスがサラに話しかける。

「リューク殿、その姿勢では書きにくくありませんか?簡易的な椅子と机を用意しますよ。」

「えっ?全然大丈夫ですけど、運ぶのも大変ですからこのままでいいです。」
二人の会話を聞き取ったカイルは言う。

「ルーカス、俺の部屋にある机を運んで来ていいぞ。」

「あっ、はい。ありがとうございます。」

慌ててルーカスは続き間になっている部屋のドアに向かう。

「僕も手伝います。」
サラもすかさず立ち上がりルーカスに着いていってしまう。

サラは女子だろう…重たい物は男に任せばいいのにと、カイルは思うがルーカスを前に言える訳も無く。

はぁーとため息を一つ吐き静かに席を立ち、少し遅れて二人の後について行く。

だいたい今朝の無防備さはなんなんだ。
あんなに男にベタベタ触られて嫌なら嫌とはっきり言うべきだ。

…嫌なのは俺だけか…

朝はさすがにイライラを隠せなかった。

サラから怒らないで下さいと言われ、少し反省したくらいだ。