「正式にリューク殿をこちらで預かる為、書類を書いた。
カミル、これを急ぎ国防省に届けてくれ。」
「はっ!!了解致しました。」
カミルは書類を手に急ぎ出て行った。
「で、少年の大義名分は何て?」
「竜の訓練を目的とした留学だ。」
「なるほど、それなら道理は通る。」
「カターナ国にも正式にリューク殿が竜騎士団本部にいる事を伝える。
カターナ側も戦はしなくないはずだから下手に手足は出せないだろう。」
「これで敵を炙り出して正々堂々戦える。」
「だ、大丈夫ですか?そんな大事にしてしまって…。」
国を巻き込んで動き始めている事に、サラは動揺する。
「竜騎士団を甘くみるな、リューク殿。
ボルテ公爵の味方に竜騎士団が着いたと分かったら、敵は下手にボルテ公爵に手を出せなくなる。
向こうだって全面戦争にはなりたくないからな。」
根っからの軍人気質である、ゴイル伯爵が興奮気味に言う。



