男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

他国の、しかも数回会っただけの公爵に過ぎない父をどうしてここまで手助けしてくれるのかサラは不思議に思う。

「さらに言うと、御子息の貴方の行方も探していた。
カーサと言う辺境の地に居るとだけは突き止めたのだが、奥深い雪と吹雪に拒まれてこちらもなかなか動けなくなってしまった。

見つけ出す手間が省けて助かった。
確か、リューク殿には妹がいたはず、安全な場所に?」

「はい…サラは大丈夫です。
村に溶け込んできっと元公爵令嬢だとは分からないくらいです。」

本当は目の前に居る私なのだけど…。
兄の事に関しても年恰好までは伝わって無いのだろうか?

「妹が人質に取られては敵わないからな。」


「じ、実は…。」

トントントントン

自分がサラだと真実を伝えようとした瞬間ドアのノックする音が響く。