久しぶりに笑顔を見たとサラも嬉しくなる。
抑えていたハンカチを取ると血もすでに止まっていた。
カイルはそのハンカチを素早くポケットに戻し、サラの持っている藤の籠をそっと奪い歩き出す。
「どの、花が欲しい?俺が摘むから支持してくれ。」
カイルはそう言って先を歩く。
「えっ⁉︎そんな大丈夫です、自分で出来ます。」
慌ててカイルの背中を追う。
しばらく二人でバラを眺め選び、摘みながら楽しい時間を過ごした。
「お腹が空いて来ましたね。そろそろ戻りましょうか?」
「そうだな。
籠もいっぱいになったし、丁度いい。玄関や部屋にも飾ろう。」
カイルも楽しそうに話す。
東屋に戻ると、マリー達がやっと帰って来たとバラを受け取り朝食が運びこまれた。



