ルーカスと別れサラとカイルは留置場を出る。
二人は来た道を無言で歩く。
話したい事は沢山ある。
聞きたい事も沢山ある。
だけど、お互い見えない壁を越えなければ分かり合う事は出来ないと、諦めにも似た切ない思いがある。
ふとカイルが足を止め振り返る。
足元ばかり見て歩いていたサラは気付かず、カイルの懐に飛び込んでしまう。
「わっ⁉︎ごめんなさい。」
びっくりして慌てて飛び退けようとする。
だけどカイルにぎゅっと抱きしめられ身動きが取れない。
「サラ、ボルテ公爵様が歩けるようになったら俺の郊外にある邸宅に移り住まないか?
その方がここよりは自由が効くし、男装しなくても普通に過ごせる。」
サラは抱きしめられたまま、心臓のドキドキが止まらない。
「あ、ありがとうございます…
でも、これ以上、カイル団長にお世話になる訳にはいけないと…父も言っておりますし…」
少しの沈黙の後…
「じゃあ。こういうのはどうだろうか?
俺と婚約しないか?
形だけで構わない。
そうすれば赤の他人じゃ無くなるし、堂々と警護する事が出来て好都合だ。」
任務を遂行する為、形だけの婚約…
胸が苦しくなる…
それでも少しの間だけでも側にいられるのなら…
二人は来た道を無言で歩く。
話したい事は沢山ある。
聞きたい事も沢山ある。
だけど、お互い見えない壁を越えなければ分かり合う事は出来ないと、諦めにも似た切ない思いがある。
ふとカイルが足を止め振り返る。
足元ばかり見て歩いていたサラは気付かず、カイルの懐に飛び込んでしまう。
「わっ⁉︎ごめんなさい。」
びっくりして慌てて飛び退けようとする。
だけどカイルにぎゅっと抱きしめられ身動きが取れない。
「サラ、ボルテ公爵様が歩けるようになったら俺の郊外にある邸宅に移り住まないか?
その方がここよりは自由が効くし、男装しなくても普通に過ごせる。」
サラは抱きしめられたまま、心臓のドキドキが止まらない。
「あ、ありがとうございます…
でも、これ以上、カイル団長にお世話になる訳にはいけないと…父も言っておりますし…」
少しの沈黙の後…
「じゃあ。こういうのはどうだろうか?
俺と婚約しないか?
形だけで構わない。
そうすれば赤の他人じゃ無くなるし、堂々と警護する事が出来て好都合だ。」
任務を遂行する為、形だけの婚約…
胸が苦しくなる…
それでも少しの間だけでも側にいられるのなら…



