カイルの良く通る低い声が響く。
サラは格子の中を恐る恐る覗くと、窓から光が入り、白色で塗られた壁は他の場所に比べて明るく清潔感があった。
椅子と机が部屋の真ん中にぽつんと置かれ、ルーカスが1人ひっそり座っていた。
カイルは監視員に声をかけ下がらせ、サラの横に並んで立つ。
鉄格子越しにサラはルーカスに声をかける。
「ルーカスさん、お久しぶりです。」
ボーっと一点を見ていたルーカスと視線が合う。
「リューク殿…
この度は…なんと…謝ったらいいのか…。」
ルーカスはバッと立ち上がり、床に伏せて声にならない嗚咽を繰り返す。
「ルーカスさん、もしも僕が同じ立場に立たされたら同じ事をしたと思います。
私は貴方から竜騎士団の事をいろいろ教えてもらいました。一緒に剣術や乗馬も習いました。あの時間は確かに本物であったと思います。貴方が私の護衛をしてくれて良かったと思っています。」
出来る限りの言葉でルーカスの心が軽くなる様に願い話しかける。
「ごめんなさい…ごめんなさい…。」
ルーカスはしばらく床に伏せたまま泣き続けた。
サラは鉄格子越しに、ルーカスの肩に手を置き優しく話しかける。
「悪いのはルーカスさんのお父様や私の父を陥れた人なんです。
貴方は悪くない…、
私からも出来るだけ刑が軽くなるようお願いするつもりです。」
「あ…ありがとうございます…。」
ルーカスは初めて顔を上げサラを見る。
真っ赤になった目にはいっぱい涙を溜めて…
そんなルーカスにサラはハンカチを渡して優しく微笑む。
二人の様子を静かに見守っていたカイルが口を開く。
「リューク殿もそう言ってくれている。
俺も今までのお前の訓練や仕事についてなんの問題も無かったと思う。
むしろ良くやってくれていた。
今回の事は、まさかの事態を読めず、油断した長である俺にも責任があると思っている。
全てが解決したら、
またここに戻って来られる様に上には働きかけるつもりだ。
だからそれまで、訓練の一貫だと思って腐らず耐えてくれ。」
思いがけないカイルの言葉に、ルーカスは涙を流し感謝する。
「カイル団長…ありがとうございます。
僕は…ここの生活が好きでした…
なんで早く、誰かに助けを求めなかったのか…今では悔やまれてなりません…。
本当に申し訳けありませんでした。」
土下座して謝るルーカスの頭を、カイルはポンポンと優しく撫ぜ、
「戻って来い。」
と言ってルーカスを安心させる。
サラは思わず涙ぐみながら二人を見比べ、カイルの懐の深さに感銘を受けた。
サラは格子の中を恐る恐る覗くと、窓から光が入り、白色で塗られた壁は他の場所に比べて明るく清潔感があった。
椅子と机が部屋の真ん中にぽつんと置かれ、ルーカスが1人ひっそり座っていた。
カイルは監視員に声をかけ下がらせ、サラの横に並んで立つ。
鉄格子越しにサラはルーカスに声をかける。
「ルーカスさん、お久しぶりです。」
ボーっと一点を見ていたルーカスと視線が合う。
「リューク殿…
この度は…なんと…謝ったらいいのか…。」
ルーカスはバッと立ち上がり、床に伏せて声にならない嗚咽を繰り返す。
「ルーカスさん、もしも僕が同じ立場に立たされたら同じ事をしたと思います。
私は貴方から竜騎士団の事をいろいろ教えてもらいました。一緒に剣術や乗馬も習いました。あの時間は確かに本物であったと思います。貴方が私の護衛をしてくれて良かったと思っています。」
出来る限りの言葉でルーカスの心が軽くなる様に願い話しかける。
「ごめんなさい…ごめんなさい…。」
ルーカスはしばらく床に伏せたまま泣き続けた。
サラは鉄格子越しに、ルーカスの肩に手を置き優しく話しかける。
「悪いのはルーカスさんのお父様や私の父を陥れた人なんです。
貴方は悪くない…、
私からも出来るだけ刑が軽くなるようお願いするつもりです。」
「あ…ありがとうございます…。」
ルーカスは初めて顔を上げサラを見る。
真っ赤になった目にはいっぱい涙を溜めて…
そんなルーカスにサラはハンカチを渡して優しく微笑む。
二人の様子を静かに見守っていたカイルが口を開く。
「リューク殿もそう言ってくれている。
俺も今までのお前の訓練や仕事についてなんの問題も無かったと思う。
むしろ良くやってくれていた。
今回の事は、まさかの事態を読めず、油断した長である俺にも責任があると思っている。
全てが解決したら、
またここに戻って来られる様に上には働きかけるつもりだ。
だからそれまで、訓練の一貫だと思って腐らず耐えてくれ。」
思いがけないカイルの言葉に、ルーカスは涙を流し感謝する。
「カイル団長…ありがとうございます。
僕は…ここの生活が好きでした…
なんで早く、誰かに助けを求めなかったのか…今では悔やまれてなりません…。
本当に申し訳けありませんでした。」
土下座して謝るルーカスの頭を、カイルはポンポンと優しく撫ぜ、
「戻って来い。」
と言ってルーカスを安心させる。
サラは思わず涙ぐみながら二人を見比べ、カイルの懐の深さに感銘を受けた。



