「せっかくの社交界デビューだからな。
サラ嬢はとても美しいと副団長から聞いたぞ。会うのが今から楽しみだ。」
意外と女好きな面もあるこの国王は正妻と側室を入れて三人の妃がいる。
若干、呆れた顔をしてカイルが嗜める。
「正妃様につきましては後少しで、二児を出産予定ですよね。
あまり他に色目を向けるのはどうかと思いますが…。」
「お前はいつも硬いな。
その顔と立場を生かせば、いいよって来る女は星の数程いるだろうに勿体ない。
もう少し、ハメを外して遊ぶべきだ。
そうすればもっと俺に対しても寛容になるだろう。」
はぁーーとカイルは深くため息を吐く。
「話が折れたな。
その晩餐会だが、隣国の者も招待する事にした。」
「カターナ国からですか⁉︎」
カイルが目を開き驚く。
「ボルテ公爵と、サラ嬢に危険が及ぶのは分かっておるが、膿を出すには手っ取り早いだろう?」
カイルは渋い顔をして国王を見る。
「カイルが警護すれば、サラ嬢もボルテ公爵も安心だ。」
「何故、そんな強行を?」
カイルは裏があると読み、低い声で尋ねる。
「実はな…厄介な事に先日、カターナ国の国王陛下から直々に書状が届いた。
我が国との貿易に重い重税をかけるとの一報だ。まるで鎖国でもするのかと思う程だ。」
「我が国と貿易が出来なくなって困るのはカターナ国では無いですか?何故?」
「他の国と手を組んだか、もしくは気でも狂ったか。」
「カターナの国王は、俺の戴冠式で会った時には温和で優しげな人物だったが、争い事は好まないと友好同盟にも積極だったのに、どうもおかしいと思わないか。」
「確かに。
ただ、ボルテ公爵様は本当に自国に敵対してまで反旗をひるがえしたい意志があるのかと、本人の意思を聞くべきではないでしょうか?」
「そうだな。
ボルテ殿に一度会って話しをしたい。もちろんサラ嬢にも。
話しをつけておいてくれ、こちらから出向く事も構わないから。」
「分かりました。」
「後、ルーカスと言う団員の取り調べは終わったのか?」
「サラ様が一度会って話しをしたいと申しています。もうしばらくこちらで預かりたいのですが?」
「分かった。
殊勝な事だな、自分を裏切ってもしかしたら命も取られていたかも知れない相手と、何の話をしたいと言うのか。
よっぽど出来た女子なのだろうな、
お前もよっぽど大事にしてると聞いているぞ。」
何がいいたい?っと刃向いたいところだが…。
「大事な要人を保護したまでです。」
あくまで冷静を保って話しをする。



