男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

広い敷地を囲む白壁の周りを歩きながら、正門は何処だろうとサラは探す。

遠目に、人が一人立っている門を見つける。正門にしては小さい、人、一人が通れるくらいの入り口だ。

よし。あの門兵に話しかけて見よう。
一歩また一歩と近く度に、心臓があらぬ音で脈を打つ。

門の前まで来て足を止める。

門兵はこちらに気が付き鋭い目線で睨まれる。
サラは怖くて足が震えてしまう。

大丈夫、落ち着くのよ。きっと話せば分かってくれるはずだから…。

一歩一歩と門兵に近く。
門兵は持っていた槍でサラの行手を塞ぐ。