男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

サラが休んでいる部屋にカンナが案内する。

「寝ている様なら、また今度でいいから。」
と一応の断りを入れる。

様子を見に行ったカンナが戻って来て部屋に通してくれる。


「カイル団長、差し入れありがとうございます。」
ベッドに座って頭を下げるサラはあまり元気が無い様に見える。

「熱がまだありそうですね…
横になってくれて構わないので。」

カイルが敬語てそう言うので、
違和感を感じてしまう。

「大丈夫です。せっかく来てくれたので、ちゃんとお話しがしたいです。」


「お嬢様、カイル様からプディングの差し入れがありますけど、お食べになりますか?」
カンナは食欲の無いサラに少しでも食べて欲しいと思って言う。

「後でいただくから取って置いてね。 
カンナさん、カイル団長にお飲み物をお願いしていい?」

「はい。ただいま用意いたしますね。」

カンナはベッドの近くに椅子を用意してカイルに座るよう促し、お茶の仕度をしに部屋を出ていった。

「時間を作ってくれて、ありがとう。」
 
とお礼を言ってカイルが座る。

「お礼を言わなければいけないのは私の方です。
お洋服の事やドレスまで用意してくださると聞いて申し訳ないです。」
頭を下げる。

「いや、当たり前の事をしているだけだ。
気にしないで欲しい。

…それより、ボルテ公爵から短剣を預かったんだが…これサラから返して貰えないか?」
懐から短剣を取り出しサラに渡そうとする。

「保険だと思って持ってて下さい。
父も私もその方が気持ちが少し楽になりますから。」
サラからも押し返されカイルは困ってしまう。

サラは話しを断ち切り、

「このパジャマ、カンナさんが早速用意してくれたんです。」
嬉しそうに笑う。

ふんわりした桜色のネグリジェに白いカーデガンを羽織っていて、女の子らしくてサラによく似合っている。

「その色、サラに良く似合っている。」
カイルがそれとなく誉める。

「顔色が悪いな…熱はまだあるのか?」

そう言って、サラの額をそっと触ると火傷しそうなほど熱い。

「まだ、相当熱いな…。
早く横になった方がいい…俺の話はまた今度にする。」

そう言って立ちあがろうとするので、サラは急いでカイルの手を握る。

「大丈夫です。もう少しここに居て下さい。」

「…じゃあ、少しだけ。サラは横になってちゃんと布団に入った方がいい。」
そう言われサラは素直に横になり、枕に頭を乗せる。

「カイル団長のお話は?」

「ああ、体調の悪いサラに話すのは酷で気が引けるが…。」

サラから握られた手が熱くて心配になる。