そう言ってサイドテーブルの引き出しから豪華に輝きを放った短剣を取り出す。
「これは、我が家に伝わる家宝でリュークからサラに引き継いだ短剣だ。
護身用に持つにはサラにはちょっと、重すぎると言って私に戻ってきた。」
「そんな大事な物をお預かりする事は出来ません。」
カイルは直ぐさま拒否する。
「しかし、こちらとしても心苦しいのだ。分かってくれないか。」
「私は、以前ボルテ公爵様よりご教授頂き、人生の岐路に立った時、大変心の支えになりました。今はその恩返しをと思ってさせて頂いてるだけの事です。」
言葉を尽くして伝えるが、ボルテとルイ二人からの熱い視線を感じ断り切れなくなる。
「…分かりました。
お預かりするだけです。
国にお帰りの際はお返し致しますから。」
そう言って受け取るしかなかった。
短剣は真ん中に大きなルビーが輝き、宝石が無数に散らばる鞘は、いろいろな意味で重かった。
大事な物を預かってしまったとカイルは懐に大切にしまう。
「では、私はこれで。サラ様のご様子を伺ってから戻りますので。」
そう言ってカイルは部屋を出る。



