男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

「ブルーノ疲れたでしょ。しばらく林に隠れて休んでいてね。」
ボルジーニの民からもらった果物と野菜をブルーノに食べさせながらサラは言う。

「幸運を祈っていて。
カイル騎士団長に逢えるまで戻って来ない覚悟で行って来るわ。」
ブルーノに別れを告げ、サラは1人林の小径を歩く。

今までに無い不安と期待とで胸がドキドキ高鳴る。
カイル騎士団長が想像通りの怖い人だったらどうしよう、そう思うと足が震えてくる。

お兄様お願い、私を守って。

サラは無意識にカバンの中に入れた不思議な水が入った瓶をそっと握り締める。