男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される


「サラは幼い頃に母を亡くしたせいか、兄のリュークに1番懐き、いつも兄の後をついて遊ぶような子だったんだ。

そのせいか、いささかお転婆で無鉄砲な所もあって、手を焼かれたかと思うが大丈夫だったかな。」
優しい笑顔を向けられカイルは苦笑いする。

「始めは本当にリューク殿かと思ってしまい、大変失礼をしました。」

「あの子の事だ。
一緒に剣術や乗馬を覚えたいと言って困らせただろう?」

「その通りです…。」

「子供の頃も良く事ある事に、お兄様は狡いと怒って一緒に着いて行こうとしておりましたな。」
ルイも加わって思い出話しに花を咲かせる。

「本当に、男に生まれるべきだったと思う時もあったな。」
2人が楽しそうにサラの話しをするのを、カイルは微笑んで聞いていると、お茶の支度を整えてカンナとマリーが顔を出す。

「公爵様、こちらカイル様の差し入れのプディングです。なかなか手に入らない有名店の物なんですよ。是非お食べになって下さいませ。」

「そうか、美味そうだな。」

ベッドの上で食べられる様にお盆に乗せ手渡され、ボルテ公爵はスプーンで自ら口に運ぶ。
昨日まで自分で食べる事さえままならなかったと聞いていたので、回復の早さにカイルも目を奪われる。

「既に、自分で食べられようになったのですね。回復の速さに驚きます。」

「姫の聖水のおかげですな。」
ルイも嬉しそうだ。

「時に、カイル団長。
この部屋まで無償で貸して頂き、使用人までお借りし、なおかつサラに服まで買い与えてくれると聞いたが、それはとても申し訳ない。
私が払わねばならないと思うのだが、しばらく国にも戻れそうに無く要立てるのが難しい。

そこでとは言ってはなんだが、これを納めてもらえないか?」