男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される


足音が近付き、サラは我に帰る。

「姫! ご無事で何よりです!」

「ルイ?…良かった…みんな無事ね。」
微笑みルイのシワシワの手を両手で握り安堵する。
「お父様は?具合が悪いの?」

「ボルテ公爵は、薬を嗅がされていた様で決して良いとは言えない状態です…。
しかし、この聖水できっと元の体に戻るはずです。ルイ殿、急ぎましょう。」

カイルがそう言ってルイに聖水の入った大きな瓶を一つ渡す。

「姫、びしょ濡れではないですか!!
貴方はまず体を温めて休んだほうがいい。
お風邪を引かれてしまいます。
カイル団長、姫を頼みます。」

ルイはそう言って、瓶を大事そうに抱え先に行ってしまう。

「ブルーノ、お疲れ様。後でフルーツを沢山あげるからね。」
サラはブルーノを労い鼻先を撫でる。

カイルは濡れそぼったサラに自らの軍服を脱ぎ掛けてくれる。
「早く室内へ。」

そう言って、片手でビンを軽々抱え、先を行くカイルの後を慌てて追いかける。