男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

階段を駆け上がり、カイルは密偵に指で合図を送る。
出来る限り踊り場から離れた場所に行かなくてはと思う。

狭い階段という場所で5人を相手に、お互い剣を構え戦うには不利だ。
出来れば挟み討ち。密偵の男は縄を出し頭上高く投げると上手い具合に上階の手摺りに引っかかる。相手はまだ気付かずこちらに向かって降りて来る。
カイルが先頭を切りサーベルを抜き1番手前の男を切る。

「うわぁ。密偵だ!!」
切られた男は叫び階段を転がり落ちる。すかさずカイルは交わしながら次の敵と会い交える。
その間に、スルスルと縄をよじ登った密偵は上から敵を討つ。

挟み討ちで、5人を海賊はあっという間に片付ける。
「手加減が出来なかった…。死んだか?」
カイルは呟き転がり落ちた海賊を見る。
「大丈夫そうです。まぁ、三か月程は動けそうもありませんけど。」
密偵はニヤッと笑ってカイルを見る。

「いい動きだ。」
カイルは褒め称え、下の階に急ぎ戻る。