男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

ドンッ!! ドンッ!!

何度か船が揺れる。
階段下までは敵に合わずたどり着けた。

「ここより先は気を付けて行くぞ。」

人1人抱えて歩くのはどれ程の重みか。
動じる事なく歩くこの若者の力強さ。
幾度もの戦闘を潜り抜け、以前会った時よりもなお、強く逞しく揺るがない強さ。
ルイはカイルの背中を見つめ密かに心躍る。

密偵がふと足を止め身を屈める。
「3人いや5人か?足音が…。」
階段を駆け下りる音が迫ってくる。

「ルイ殿、ボルテ公爵様をお願いします。」
そう言うが早いか、踊り場でボルテを下ろしカイルと密偵は2人息を揃え階段を登って行く。
均整も取れている軍隊としても申し分無い動きだ。ルイは密かに舌を巻く。
 
いい男になったなと感心する。
こんな所で死なす訳には行かない。皆、無事に脱出しなければ…。