男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

「ああ、ただいま。
……で、何をしていた?」
再度カイルは訪ねる。

「あの…、頬の傷が気になったので、跡が残ったらいけないと思って聖水を当ててました…」

カイルは体を起こしソファに座る。

握っていたサラの手の甲に引っ掻き傷があるのが目に入る。
「この傷どうした?」
そう聞かれて初めてサラは気が付いた。

「あっ…、いつでしょう?
全然気付かなかったです……
竜の手当をした時に少し暴れたので、その時でしょうか…。」

カイルはサラの持っているハンカチを奪い取ってサラの手の甲に当てる。

「自分の事をもっと大切にしてくれ。」
しばらく当てていると、少ない聖水でも傷は薄くなった。
「傷を作るな。
…女なんだからもっと注意するべきだ。」

「カイル団長の顔の傷にも当ててください。」

「俺はいい。
傷は軍人に取って勲章みたいなもんだ。」

「ダメです。綺麗な顔に傷が残っちゃう。」
慌ててサラはカイルからハンカチを奪い取りハンカチを頬に当てる。

心配そうにサラがカイルを見つめてくる。

仕方ないと諦め、サラのしたい様にさせる。

「少しは寝れたか?
今日は戦闘参加メンバーは休暇にしたから、もう少し寝たほうがいい。」

「団長こそ、ちゃんと寝てください。
私は自分の部屋に帰りますから、ベッド奪ってしまってすいません…。」

「いや…。別にそれはいいが、今からその格好て戻るのか?」
サラの今の格好を見渡し渋い顔をする。

さすがに男性用の寝巻きだが、髪も下ろしてその上ハーフズボンで膝から下がでている。どう見ても女だとバレるだろう。

サラも昨夜遅く慌ててシャワーを浴びた後、急いでこちらに来た為、服を持って来る事まで考えていなかった。

「…ダメ、でしょうか?」

「ダメだ。どこから観ても女に見える、誰かに会ったらバレるぞ。
それに、そんな薄着で動き回るな。」
まるでお兄様みたいに心配症ね…。とサラは心の中で思う。