男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

その頃、
海峡でカイルは頭を捻っていた。
海賊船は何の為に海峡を占拠しているんだ?制圧した海賊船の乗組員に聞いてもまったく埒があかない。
皆、声を揃えて大将からの命令だと言う。

海賊は本来、軍隊とは違いそれぞれの船にキャプテンがいる。そのため海賊同士のがみ合いや小競り合いは良くある。だから大きな統制はとれないと思っていた。

何かがおかしいと思う。
 
カターナ国で何か重大な動きがある筈だ。
それは多分、ボルテ公爵の事にも繋がるはずだ。

朝、一報では昨夜から港街で海軍の動きが活発化して、ボルテ公爵奪還に向けての作戦を一旦中止したと。

副団長からの報告を待つ。

昼過ぎ、伝書鳩を飛ばしこちらの動きを伝えてある。向こうで何が起こっているのか?

夕方過ぎ、10隻あった海賊船を後2隻残し弾圧に成功した。
多少の負傷者は出したが、海軍共に死者は無く、海賊側も多少手荒く入って行ったが死者は出ていない。
「カイル団長、副団長から伝書が来ました!」
暗闇を苦手なハトは夜飛ばせない為、代わりに竜が持って来たらしい。

『カターナ国外交官と海賊の長と名乗る男が密会有り、両者対戦の構え有り。

午後に動き有り、交渉が成立した模様。
海賊船、海軍共に解散し港は正常化。

ボルテ公爵監禁の船、出航の為追跡。』

読み終え、カイルは深いため息を一つ。

「どうやら、カターナ国と海賊の交渉は成立したらしい…。海峡も正常化するだろう。
休戦し向こうの出方を待つ。」

「海軍閣下に伝達頼む。」
何の為の戦いだったのか…腑に落ちないが、ひとまず撤退だな。

朝から緊迫していた団員に休戦を伝える。


夜もふける頃、残っていた2隻の海賊船も去って行った。

竜騎士団も任務を終え帰路に着く。