「近くの海峡で海賊が集結してるらしい。
他の船がカターナ国に渡れなくて困っていると、援護を依頼が海軍からあった。
明日の朝、出立する。」
「私に何か出来る事はありますか?」
震える声で、涙が溜まった瞳でそれでも真っ直ぐカイルを見てサラは言う。
「いつも通り過ごして欲しい。俺が居なくても大丈夫だ。
ルーカスは居るし困る事があったら彼に聞け。うまくいったら夕方には帰る。」
ブルーノがいてくれたら一緒に行けたのにと思う。
だから、あえてブルーノに配達をお願いしたのだろうか?
「もしかしたら、ボルテ公爵の件とも繋がっているかもしれない。」
「どう言う事ですか?」
「この海峡はカリーナ国とリアーナ国を行き来する船が必ず通る場所だ。
そこを海賊が占拠すると言う事はお互いの国にとって死活問題だ。
海賊の目的は未だ分からない。金銭を要求する事もないし脅しもしてこない。ただ、渡ろとする船を容赦なく撃ってくるらしい。」
「リアーナ国を鎖国させるつもりですか?」
「リアーナの国王と海賊の繋がりが濃厚だ。
おそらく、ボルテ公爵はその繋がりをいち早く察知して国王に申し入れしたのかもしれない。」
「お父様は何を知ってしまったのでしょう?」
「副団長からの報告では、貿易商と潜入したところ1箇所だけ妙に警備が固い部屋があったらしい。中は確認出来なかったが、今夜潜入し中を確認すると連絡があった。」
「副団長は大丈夫でしょうか?」
「ああ見えて、潜入捜査には長けているから心配しなくていい。」
カイルはサラを安心させるように微笑む。



