教室中の視線が集まるのがわかって身を小さくしながら着席した私。情けない。


 先生は怒っているように見えて私の体調を心配してくれているだけだったらしい。


 普段の授業態度が良かったことが幸いして、そこまで怒られることはなかったのがまだマシと言える。


 でも、周りはそれを快く思わなかったみたいで……。


「ふつーに顔色いいじゃん」

「学年一位はいいよね。授業態度が悪くても許してもらえてさ」

「昨日も午後の授業いなかったし。サボっても怒られないとかずるすぎ」


 解説を続ける先生の声の裏で、こそこそと聞こえる女子たちの怒り。


 自業自得とは言え、横からかけられる圧力に心臓がきゅっと縮こまった。


 こんなの今に始まったことじゃないのに……いまだにその言葉の鋭さに怯えてしまう自分の心の弱さが情けない。


 急に胃の痛みを感じ、本当に保健室に行かなきゃいけないかもしれないと危惧(きぐ)し始めたそのとき。